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「ダウン症候群★就学に向けて」はこちらから






前編(過去記事はこちらから)からの続きだ




地域の《支援学級》に進学する場合、
心配なことを伝えた。




1番は、《支援学級》のカリキュラムだ。


《支援学級》としての時間割や授業が無く、ほとんどの時間を通常学級で過ごすのだ。




これにより、以下の心配事が出てくる。




(1)通常学級か《支援学級》かで悩んでいる場合には両者のいいとこ取りが出来ていいのではと思うが、


【支援学校】か、《支援学級》かで悩んでいる三男の場合には、分かって過ごすためのハードルが高いこと。


※このシステムは通級のようなシステムだが、
法律上、通級指導の対象に知的障害は入らない。
それは通級では分かって過ごすことが難しいからだろう。




(2)小集団の中で、主体的、積極的に授業参加し、
成功体験を積み重ね、自己肯定感を高めるチャンスがない
こと。




逆にこれらの力を低める可能性があり、
それが心配だ。






(3)【支援学校】の教育目標であり、《支援学級》の目標でもあるはずの「自立と社会参加」に向けた時間が取れないこと。


前回の前編で述べたような、
知的障害の障害特性に合わせた授業が受けられないのだ。










心配事をこう書き連ねて行くとマイナス要因ばっかりで、何を悩んでいるんだろう?
さっさと【支援学校】に決めろよ!って自分でも思う




けれど、地域の《支援学級》には、他に代え難い良さがあるんだ。




[1]三男のことを地域に住む人に知ってもらい、
地域の中で生きていく基盤を作ることが出来る。

共有する時間の長さってやはり大事だと感じることと、
実は中規模マンションに住んでいる我が家は、
マンションの中で同級生のつながりを作りやすい。
私立の小学校に行っているお友達とのつながりは薄い




[2]兄弟で話題を共有できる。




[3]子どもとの関わりが中心になり、その中で、自分の立ち位置を考えたり、
自分の気持ちを伝えたりする、ソーシャルスキルが鍛えられる。


三男は親の言うことは聞かないが、兄ちゃんの言うことは聞く。
こども園でも先生言うことは聞かなくても、お友達の誘いには乗る。

子ども同士の中での学びは何ものにも変え難いものがある。




[4]集団のダイナミズムを体験できる。

これは自分が教員をしているから余計に感じることだと思うが、やはり、集団活動の中で生じるプラスのパワーって大きいと思う。
沢山の学校行事を体感してほしい。





これらの面では、通常学級でほとんどの時間を過ごすという地域の《支援学級》のシステムが、プラスに働く。


もちろん、マイナス面もあり、
ソーシャルスキルなどは、【支援学校】の方がスモールステップで伸ばせる場合もあるとは重々承知だ。


その辺が、子どもの個性に合わせて選ぶということなんだろうと思う。




地域で生きる基盤だって、学童や習い事に通うなど別の方法で作ることも出来る。


《支援学級》に在籍しても、クラスのメンバーに馴染めなかったり、差別的視点を教員が持っていたりすれば、基盤を作るどころか逆効果になってしまう可能性もある。




そもそも、授業や行事の意味が分からず、ただそこにいるだけなら、
本人にとって大きな負担だし、その時間はもったいない時間になると感じる。




うちの場合、去年受けた発達検査の結果は2歳程度というものだった。
これを考えると授業などはとんでもない話だ




ただ、最近受けた検査では、
抽象概念などの理解力は3~4歳程度あるということだったので、1年生程度の算数なら具体物を使っての理解は出来るだろうと言われた。










《支援学級》か、


【支援学校】か、



という問題は、


「地域とのつながり、
子ども同士の育ち合い、
その中でたくましく生きる力」
を育てたいのか、


「身辺自立の力など、専門性の高い支援者とともにスモールステップで身につける着実な力、
出来る経験の繰り返しによって身につく積極性などのパフォーマンス」
を育てたいのか、



親が何を求めるかということになるだろう。




もちろん本人の発達段階や、
地域の事情、親の事情を総合的に加味して決めるんだけど。



親の本音としては、両方を選びたい


苦悩するわけだ








地域の《支援学級》に、
【支援学校】並みのノウハウやシステムがあればいいのに!
なんて思ってしまう












今回の相談では支援コーディネーターの先生が具体的に答えてくださり、
話が随分と進んだ。




ありがたい。




そして、年中さんの間に概要を聞きに行っておいて良かったなーと思った





私の心配事に関する詳しい情報や、対応策、先生方の考えなどを伺ったので、
以下にまとめる。



(1)分かって過ごすためのハードルが高い






抜き出しの授業は、原則として1日2時間まで。
(柔軟な対応もありそうだ。)






通常学級にいる間、特に1年生は支援の教員がある程度はクラスに入って見守ることが出来る。


(2年から、特に高学年からは心配だ。)




見通しを立てるために視覚支援として、
その日の時間割などを個別に用意して、
終わった授業のカードを剥がすなどの対応は可能。


(そういえば、今思い出したけど、
低学年のうちは、1時間目は全て国語とか、通常学級の時間割も見通しを持ちやすいものになっている。)




本人にとって理解が難しい授業だが、抜き出し指導はできない場合などに、別課題を用意することも可能。
(出来れば、関連する内容のものが良い。
私も用意するつもりだ。)


(詳しく聞き忘れたが、毎回の授業ごとに算数で具体物を用意するなどの支援もして欲しいと思っている。
対応は可能っぽいが、密な連絡が必要だと思う。
過度な負担にならないよう、
私も準備しようと思う。)






(2)小集団の中で、主体的、積極的に授業参加し、
成功体験を積み重ね、自己肯定感を高めるチャンスがない





(これに関してはその通りだと先生方も感じていらっしゃるようだ。
しかし、大阪のインクルーシブの主流は、
皆んなが同じ教室に!というもののようだ。


別のやり方で成功体験を重ねるということは考えてくださるようだ。)




合科の時間が週に1時間ある。
体操して、ゲームをしたりもするし、
秋の学校公開の時にはカフェをした。
準備や買い物も児童がした。

(カフェー、いいねー!)



自己肯定感の低下についての心配について、

「授業がわからないとかだけでは下がらない。
自分の存在が認められ、周囲に大事にされていると感じていれば、大丈夫!」BY教頭先生


(本当に学校でそれを感じていけたら大丈夫なのかも知れない。
学力差よりもソーシャルスキルの差がある方が、
うまく持っていくのは難しいかもなと感じた。


知的な力が高い方が、自己肯定感の問題に苦しむ割合も高いかも知れないなとも感じた。




あと、家庭での接し方も大事だと思う。
私が出会ってきた、自己肯定感低下による二次障害を起こしてしまっていた生徒達の多くは、親の関わり方にも改善の余地があった。)






(3)【支援学校】の教育目標であり、《支援学級》の目標でもあるはずの「自立と社会参加」に向けた時間が取れないこと。




これは支援コーディネーターの先生が深く同意してくださった。


これは保護者というより、同業者のグチとして言わせていただきたい。
「支援教育とは本来そういうもので、
そのための時間が絶対的に足りない。」



と、教頭先生にもうったえていらした。




私もそれに乗らせていただき、こんな提案をした。


時間割作成の問題が許せば、
特に高学年には、
自立活動の時間を取ってほしい。


週に1時間では少なすぎるから、
もっと確保してほしいし、
2時間連続の時間も欲しい。





私が働く高校(通級のようなシステムを持っている)にも、2時間連続の自立の時間があることを伝えた。






返事としては、
必要性は感じる。
しかし、習熟度別の授業もある関係で、高学年からは特に時間割が厳しい。


というようなものだった。


しかし、保護者の意見として、
今後も検討し続けて欲しいということを伝えた。




授業の抜き出しの時は、その教科だけでなく、
保護者の希望を取り入れて、
「歯の磨き方」「校外での買い物」などもしてきた。


希望により臨機応変な対応をする。


私が希望した自立の時間にも関連する話だけれど、
勉強をさせてほしいという保護者も多い。


(確かに、通常学級にいる限りは、
勉強についていくことを大事にしたい気持ちになることも分かる。


それに、軽度のお子さんが大半なんだろうから、
そうなっていくのも分かる。




でも、個人的には軽度だからこそ見過ごされてしまう部分があると思う。


そして、
誰にも必要になるソーシャルスキルなども、
あえて、その練習をする時間が必要だと思う。


その点は先生方も同意見だった。)










これ以外に、
もし、【支援学校】に進学した場合、
居住地校交流をお願いしたい旨を伝えた。




返事としては、
「もちろん、こちらからお願いしたいぐらいです。」

と非常に前向きなお返事を頂いた。



地域の中学とも密な連携を取っている学校なので、

中学もぜひというような雰囲気だ。
前の前の校長にもそう言って頂いて驚いたことがある。




実際に中学に進んだダウン症の先輩もいるが、
その先輩はかなりしっかり喋れて、運動会もバッチリだった。






これまでの、そして今の私にとっても、
全く考えられない選択だ。


(あくまで、うちの場合ということで、中学の支援学級に入ること自体を否定しているわけではない。)



中学との交流も多いので知っているが、
ほのぼのした雰囲気の中学だと思う。





同行してくれた保健師さんの感想は以下のようなものだった。


近隣の地域の中では、随分と色んなことに対応してくれるので驚いた。


抜き出しの授業をしない学校もあるし、


絶対に2時間までと言い切る学校もある。


通常学級に支援の教員が付いてくれない学校もある。


これからも色んな相談をしやすそう。




抜き出しの授業無しって、ずっと通常学級ってこと?


支援の先生がついてくれないって、
丸投げもいいとこやーん


(まあ、うちもどんどん手薄になるということですが)




地域の小学校には、支援員さん(教員ではないが、支援のいる児童をサポートする人)は、1人しかいない。


絶対的に人手が足りない。


教育にもっとお金をかけて欲しい







まあ、そんな中でも、
近隣では少しはマシな方の学校ということか。






私としては、
不安は消えないが、


支援コーディネーターの先生と同じ方向を見て、
進んでいけそうなので、
随分と心強い。




もちろん先生は、異動の可能性もあるが、
最近合併したうちの学校は新設校扱いになり、
新設の時に異動した扱いになるので、
まだ長くいていただける可能性はある。




他の先生で、
アイパッドの児童への貸与を勝ち取ってくれた先生もいらっしゃる。


この方は、支援が専門で、日曜参観の時にも、
「三男を赤ちゃんの時から(抱っこされて参観についてくる姿を見て)知っている。
待ってるよ!」
と言ってくださった




心配も多いが、


地域でこの先生方に見守られながら、
過ごさせたいなーという気持ちも大きくなってきた。



一度入ったら、できれば6年生までと思うけれど、

【支援学校】への途中での転校も視野に入れつつ、
あと少し、考えていこうと思った。







(長男10歳)

(次男8歳)

(三男5歳8ヶ月)





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